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すでに1月も終わろうとしているこの時期にして本年初投稿。明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
たぶんアタラント号の短い歴史の中でも"月ゼロ"はなかったはずのことなので、慌てて何か綴っておこうと考えて、手っ取り早いベスト選出企画、「2011年に日本公開された鑑賞済映画ベスト10」ということで、こういうの、他人の記事読むの大好きなのだけど自分でやるのはもの凄く苦手で、それでも自分なりの時点の思索を総括してタンキングしておくのは、その後の価値観の変化に対しても有意義であると前向きに考えてみた。 圧倒的に鑑賞本数が少なく、昨年公開された映画では、劇場・ビデオフォロー合わせてたぶん50本程度だと思うし、マリックやスピルバーグやカーペンターさえフォローできていないという状況、また、都心ではすでに昨年の話題作でありながら、単館系のフィルム巡回タイプの作品の公開時期のギャップによる年度ズレ込みでここ(大阪)で対象にならないものが少なくないこと、等を前提にして、また、劇場体験とビデオ鑑賞について差別がある程度起こり得るかもしれないことは自分に対して留意しておく。 鑑賞時に本ブログでコメントを残せていないものは、ここでごく簡単ながら短評を記して、すでに何らかの形でレビューできているものはブログ内記事をリンクで貼り付けながら駆け足で。なお、基本的に順不同だけど、潜在的には付番にある程度の序列は認められる気がします。 01.『イップマン 序章』 葉問 (香港:ウィルソン・イップ監督) ⇒「イップ・マンがおもしろかったことに託けてカンフー映画四方山話」 02.『ソーシャル・ネットワーク』 THE SOCIAL NETWORK (アメリカ:デヴィッド・フィンチャー監督) 03.『ブラック・スワン』 BLACK SWAN (アメリカ:ダーレン・アロノフスキー監督) ⇒「「きれいにひと皮むけたアロノフスキーが素晴らしい - 『ブラック・スワン』」 04.『イリュージョニスト』 L'ILLUSIONNISTE (イギリス/フランス:シルヴァン・ショメ監督) 05.『ファンタスティック Mr.FOX』 FANTASTIC MR. FOX (アメリカ/イギリス:ウェス・アンダーソン監督) 海外のアニメに限っての2本選出というのは残念だけど、そんな状況であるのは事実。「トイ・ストーリー」シリーズが消費社会というものを批判しないのと同じように、シルヴァン・ショメはここで、「移ろいゆく価値」というものを否定していない。だから心が温まるし、ウェス・アンダーソンの作品は、キツネたちへの安易な感情移入を許しておらず、信用がおける。 06.『冷たい熱帯魚』 (日本:園子温監督) ⇒「能動的イマジネーションを遮断する『冷たい熱帯魚』のインパクト」 07.『デビル』 DEVIL (アメリカ:ジョン・エリック・ドゥードル監督) ⇒「ナイト・シャマランの話をしよう。 - ジョン・エリック・ドゥードル監督 『デビル』 」 08.『ブンミおじさんの森』 UNCLE BOONMEE WHO CAN RECALL HIS PAST LIVES (イギリス/タイ/フランス/ドイツ/スペイン:アピチャッポン・ウィーラセタクン監督) ⇒「シーザーと猿の精霊とセレブリティ。」 09.『アンストッパブル』 UNSTOPPABLE (アメリカ:トニー・スコット監督) ⇒「トニー・スコット監督 『アンストッパブル』 --- あえて不満点を中心に」 10.『東京公園』 (日本:青山真治監督) 遂にタイトルに"東京"を冠した青山監督の新作は、役者のレイアウトの過激さに対して、風景そのものは当然のように匿名に埋もれてる。物語の中で起こっていることや登場人物たちの関係性は決して軽いものではないし、"真っすぐ見つめる"ことも映画にとっては軽い主題ではないし、幾多のオマージュ、アンチ、超克、といった姿勢も軽く頷いて受け流せるボリュームや質ではないし、そういった軽くない「ゴツゴツしたいびつさ」があって、一見して感じられる「鮮やかで軽やかなエレガンス」みたいなものが、その歪さを優しく包み込む、...ことが出来ない、...という映画で、それは昨年、進んで何も背負わないようなある意味無責任とも言える園監督の逆説的な軽さの、その反対側の極を成してる。ちなみにそんな歪さの中だからだろうか、初めて小西真奈美が良く思えた。 以上の10本、公開本数の割合として当然のことかもしれないけれど、国籍で土俵を分けずに並べるとアメリカ映画が半数を占めることになりました。韓国、中国映画が1本も入らなかったのは我ながら意外でもあるのだけど、この傾向は次点を数点挙げてもほとんど変化はなさそうです。 <次点> ■『アンチクライスト』(ANTICHRIST ラース・フォン・トリアー監督)⇒「ANTICHRIS♀」 ⇒「プラス思考とそのコストを考える C.イーストウッド監督 『ヒア アフター』」 最後に、個人的な想い入れから次の賞を特別に用意してみました。 <インパクタブル・アクター賞> マイケル・シャノン (『ロシアン・ルーレット』 ヘンリー役) 池内博之 (『イップマン 序章』 三浦役)、 以上。
by hychk126
| 2012-01-29 18:13
| 映画
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Comments(6)
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bigblue909 at 2012-01-30 15:09
出ましたね~、そう、関西に住んでると時差公開もあるし、何より私の場合、WOWOWで前年公開の映画を大量にやりだすのが2・3月ぐらいなので、毎年選ぶのが遅くなってしまうんですよね(汗)
私とかぶるのがソーシャル、ブラックスワン、アンストッパブルの3本ですかね。イップマンはこの前WOWOWでやってたんだけど観てなくて・・・再放送でフォローしてみますね。私も今回は珍しく韓国と中国はないかな。韓国映画って数年前の勢いが嘘みたいに衰退してますね。何を観てもイマイチで。 それにしても、人様のこういうのを見てると、面白かった映画の選択よりも、そもそも観る映画の選択からして全然違うのでビックリしてしまうんです。私も去年の映画で観たのは約50本ぐらいなんですけど、観たのだけでもかぶるのが少ないですから。
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hychk126 at 2012-01-31 10:15
関西時間差> まだ地方と比べると恵まれているので贅沢は言えませんが、例えば最近特に泣かされたいという強い欲求があるので、『灼熱の魂』や『サラの鍵』なんか、こっちは数カ月前から泣く準備をして待ち構えてるわけです。結局『灼熱の魂』は泣けませんでしたし、『サラの鍵』はこのまま見過しそうな感じがあって、BBさんのレビューがそれに輪をかけてます。
韓国・中国・台湾などについては、言うほど観てないというのがあります。『哀しき獣』はギリギリでキャッチする可能性ありますね。 それと『イップマン』ですが、くれぐれも観るべきは『序章』ですので、お間違いなく。
出ましたね。
追って私も発表しようかなと思っていますが、時間的余裕や地理的な条件で、私の方もカーペンターやポランスキーなど、観るべき作品を観れていないのではと心配になります。ビデオフォローを前提に、あと2年くらい余裕が欲しいところですね。 基本的には順不同ということですが、やはり1番目の『イップマン 序章』はインパクト大です。 同じ監督の続編の出来がイマイチだったため、一作目も引きずられて、私は微妙な評価をしてしまいましたが、単体ではやはり相当なものだと思いますし、何といっても池内くんの素晴らしさですね。ドニー・イェンの連続突きの映像は騒がれても良かったのではないかと思います。
普段からやりとりさせていただいてるので、他のタイトル選定も納得ですが、とくに『ブンミおじさんの森』、『アンストッパブル』、『アンチクライスト』、『キラー・インサイド・ミー』、『ロシアン・ルーレット』などは私も好みです。
マイケル・シャノンもものすごいですよね。ここで表示されている場面なんて、もう歌舞伎役者じゃないですか(笑)。『レボリューショナリー・ロード』の役も本当に大好きです。 俳優でいえば、私は去年の『トスカーナの贋作』のジュリエット・ビノシュの演技力に圧倒されクラクラきました。 いつもながら、コメントの書き方など参考になります(たまに無意識にhychkさんの表現に引っ張られることがあります)。
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hychk126 at 2012-02-01 14:38
ホント、歌舞伎だ(笑)。ところどころ破綻しているとしか思えないあのギャンブルの、システ上での必要性への疑問も含めて、キメと溜めを往復するシャノンのあの動きは強烈でした。確かにイップマンを大々的に担いだのは、正直な感想でもあり、作戦でもあります。あのミニマムな格闘スタイルは、そのまま民衆蜂起のシンボルとしてドラマを劇的に盛り上げてくれました。
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hychk126 at 2012-02-01 14:38
ブンミはあれからもう一度観直したのですが相変わらず不思議な作品でした。最初観た時「全てが同水準の主張をしてて、静けさに反して画面上の情報量がめちゃくちゃ多い」みたいな、何も言えてないことを書きましたが、2度目もその感想から進歩がなく、上手くあの体験の強烈さを説明できません。
『トスカーナの贋作』は評価高いですよね。未見なのでぜひ観てみます。
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